稲村堂作業日誌

科学雑誌を読む日々。

今日のダーウィン

[1835年3月4日]181年前の今日、ビーグル号航海中のC.D.(当時26歳)は、チリ中南部コンセプシオンの地にいる。前月下旬に自身も遭遇した大地震のその後について記述している。

 

◉コンセプション Concepcion の港に入った。鑑が碇泊場へと進退している間に、私はキリキナ島 Quiriquina に上陸した。その領地の執事が二十日の大地震の怖しい報知を私に知らせに*うま*で馳せつけた。――「コンセプションにも、タルカフアノ Talcahuano (港)にも、家屋は一軒も立っていないこと。七〇ヵ所がひどく壊されたこと。大浪がタルカフアノの廃墟をほとんど洗い流したこと」を。〔…〕この島を巡って歩いている間に、多くの岩石の断片を見た。それに附着している海産物を見ると、この岩は最近まで深い海底にあったものに違いないが、浜に高く打ち上げられていた。その岩の一つは長さ六フィート、幅三フィート、厚さは二フィートあった。

 

――『ビーグル号航海記 中』 チャールズ・ダーウィン岩波文庫1960)p.197

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今日のダーウィン

1832年2月29日]184年前の今日、ビーグル号航海中のチャールズ・ダーウィン(当時24歳)は、ブラジルのバイーア州サン・サルヴァドールの地にいる。

 

◉ある日、はりせんぼん Diodon antennatus が浜で泳いでいるのを捕えて、その習性を見て興味を感じた。この魚は皮膚がだぶだぶで、ほとんど球形に体をふくらませる不思議な性質があるので有名である。少しの間、水中から出して再び見ずに戻すと、水と空気とを口からも、またおそらく鰓裂〔さいれつ〕からも、多量に吸いこむ。

 

◉この動物はいろいろの防御法を持っている。ひどくかむこともでき、口からある距離まで水を放射することもできる。その時はあごの運動によって、妙な音をたてる。体をふくらませた時には、皮膚一面に生えている乳頭突起がさか立って尖りだす。しかももっとも奇妙なことは、触れられると腹の皮膚から紅紫色の美しい繊維性の物質を分泌することで、それは、象牙や紙を永久に染めて、今日に到ってもそのあざやかさが消えない。この分泌物の本性や用途については何もわからないでいる。

 

――『ビーグル号航海記 上』 チャールズ・ダーウィン岩波文庫1959)p.035-037

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今日のダーウィン

1833年2月20日]184年前の今週、ビーグル号航海中の若きダーウィン(当時24歳)は、ブラジル沖の島フェルナンド・デ・ノローニャの地にいる。

 

◉この地に留まった二―三時間のあいだに観察できたのは、この島の組成は火山性ではあるが、おそらく現世代のものではないと思われることぐらいであった。

◉全島は樹木におおわれている。しかし、気候の乾燥のために繁茂の形跡はない。山の中腹の上まで柱状の岩の大きな固まりが、*げっけいじゅ*のような木におおわれてをり、別の種類で立派な紅い花があるが、一枚の葉すらない樹に飾られている有様は、近景に気持ちのよい効果を与えていた。

――『ビーグル号航海記 上』 チャールズ・ダーウィン岩波文庫1959)p.033

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科学雑誌を読む

『ネイチャー』 2015-06-25号に、この5月に亡くなったジョン・ナッシュの追悼記事が掲載されている(p.420)。執筆者は、『進化のダイナミクス 生命の謎を解き明かす方程式』(共立出版2008)の著者でもある Martin A. Nowak。
ナッシュ均衡」(Nash equilibrium)という概念は、生物学でも重要であるという。

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