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稲村堂作業日誌

科学雑誌を読む日々。

科学雑誌を読む

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『ネイチャー』 2014/10/09号の「リサーチ・ハイライト」のページを開く。本誌以外の科学雑誌に最近掲載された、興味深い10報弱の論文を手短に紹介するページ。

 "Gene switch helps bacteria invade"(遺伝子スイッチで悪性度を増す細菌)という記事を読んでみる(p.143)。

 肺炎連鎖球菌は、ヒトの鼻のなかに存在していて通常は無害だけど、一部のヒトでは重大な感染症を引き起こす(肺炎とか)。今回の研究でわかったのは、この細菌は、ゲノム上に6つの遺伝子からなるシステムを擁していて、これが各遺伝子の発現を再編成することで、6つの異なる亜集団に変身できるということ。具体的には、個々の集団では、DNA上のメチル化のパターンが異なる。メチル化のパターンが変わると、そのDNA上に書き込まれている遺伝子の発現の状態が変わるので、最終的に毒性の程度も変わるというわけ。DNAの配列そのものを変えるのではなく(これはけっこう大ごとだ)、DNAの修飾(=メチル化)を変えるだけで遺伝子発現パターンを変えるので、環境の変化に迅速に対応できるということらしい。

 これは細菌の話だけど、植物にも動物にも(そしてたぶん人間にも)、環境変化にすばやくアジャストできるための遺伝子セットなどの仕組みというものは存在するんだろうな。

Nature 514, 143 (09 October 2014)
Nature Commun. 5, 5055 (2014)

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