稲村堂作業日誌

科学雑誌を読む日々。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

科学雑誌を読む

『サイエンティフィック・アメリカン・マインド』誌の最新号(SEPTEMBER/OCTOBER 2014)が届く。一般向け科学誌『サイエンティフィック・アメリカン』の姉妹誌で今号で94冊目。誌名が示すように、脳科学・心理学に特化した科学雑誌。目次から主な記事のタイ…

科学書を読む

正確に言えば、科学書ではない。高校生の頃に購入してから折りをみて再読している『寺田寅彦随筆集』(岩波文庫)に飽きたらず、先日は近隣の図書館に赴き、『寺田寅彦全集 第二十巻』(岩波書店1998)を借りてくる。この本には、大正四年から大正八年までの…

科学雑誌を読む

いつものコーヒーショップで、昨日届いたばかりの『ネイチャー』 9/11号をパラパラとめくる。テナガザルのゲノムつまり全てのDNAの配列が解読されたという報告を読む。表紙のサルがキタホオジロテナガザル(の赤ちゃん)。解説記事もある(p.174)。さっそく…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [011]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [011]『意識をめぐる冒険』 クリストフ・コッホ(岩波書店2014)の第5章では、興味深い脳障害がいくつか取りあげられています。アクロマトプシア、相貌失認(そうぼうしつにん)、カプグラ症候群、アキネトプシア…。この…

フィクションを読む

●『女のいない男たち』 村上春樹(文藝春秋2014)を読む。「ドライブ・マイ・カー」と「イエスタデイ」が特に気に入る。後者は短篇「螢」を思い起こさせる(でも誰も死なないところがいい)。「木野」の前半は、「トニー滝谷」(の前半)を思い出させてくれ…

科学書を読む

●科学書を読む毎朝、『生命とは何か―複雑系生命科学へ』 金子邦彦(東京大学出版会2009)の一節を読むことを続けている。この本のジャケットの絵は、伊藤若冲の《樹花鳥獣図屏風》(いま調べた)。 すみずみまで理解できる本ではないけれども、パラパラとめ…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [010]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [010]『意識をめぐる冒険』 クリストフ・コッホ(岩波書店2014)の第5章には、以下のような文章が出てきます:〈デカルトは、主観的な経験は分割できないという事実を裏づける、ただ一つしかない器官を探した。そして、…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [009]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [009]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第2章には、以下のような文章が出てきます:〈電気的活動は、ニューロンの樹状突起や細胞体の表面に集まっている「イオンチャネル」という、これまた精密な装置を使って、「…