稲村堂作業日誌

科学雑誌を読む日々。

2014-09-05から1日間の記事一覧

フィクションを読む

●『女のいない男たち』 村上春樹(文藝春秋2014)を読む。「ドライブ・マイ・カー」と「イエスタデイ」が特に気に入る。後者は短篇「螢」を思い起こさせる(でも誰も死なないところがいい)。「木野」の前半は、「トニー滝谷」(の前半)を思い出させてくれ…

科学書を読む

●科学書を読む毎朝、『生命とは何か―複雑系生命科学へ』 金子邦彦(東京大学出版会2009)の一節を読むことを続けている。この本のジャケットの絵は、伊藤若冲の《樹花鳥獣図屏風》(いま調べた)。 すみずみまで理解できる本ではないけれども、パラパラとめ…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [010]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [010]『意識をめぐる冒険』 クリストフ・コッホ(岩波書店2014)の第5章には、以下のような文章が出てきます:〈デカルトは、主観的な経験は分割できないという事実を裏づける、ただ一つしかない器官を探した。そして、…