稲村堂作業日誌

科学雑誌を読む日々。

2014-01-01から1年間の記事一覧

科学雑誌を読む

夕方、届いたばかりの『ネイチャー』12/11号を手に取る。物理学者アインシュタインの手紙がオンラインで読めるようになったという短報を読む(p.148)。"The Digital Einstein Papers"と題するサイトには、約5,000件の文書がすでにアップ済みとのこと。http:…

科学雑誌を読む

夕方、『ネイチャー』 2014/10/16号がポストに入っている。いつものコーヒーショップで読み始める。「渡りをする蝶」として有名なオオカバマダラ Danaus plexippus のゲノムの解読結果が報告されている(p.317)。つまりこの蝶のDNAのすべての配列が明らかに…

科学雑誌を読む

『ネイチャー』 2014/10/09号の「リサーチ・ハイライト」のページを開く。本誌以外の科学雑誌に最近掲載された、興味深い10報弱の論文を手短に紹介するページ。 "Gene switch helps bacteria invade"(遺伝子スイッチで悪性度を増す細菌)という記事を読んで…

科学雑誌を読む

『ネイチャー』 2014/10/09号を、いつものコーヒーショップで読む。 今週号の表紙にも取り上げられている、インドネシアの洞窟壁画の年代測定結果を報告した論文に関する解説記事をまず読む。タイトルは"Art on the move(旅する芸術)"(p.170)。ちなみに…

科学雑誌を読む

『サイエンティフィック・アメリカン・マインド』誌の最新号(SEPTEMBER/OCTOBER 2014)が届く。一般向け科学誌『サイエンティフィック・アメリカン』の姉妹誌で今号で94冊目。誌名が示すように、脳科学・心理学に特化した科学雑誌。目次から主な記事のタイ…

科学書を読む

正確に言えば、科学書ではない。高校生の頃に購入してから折りをみて再読している『寺田寅彦随筆集』(岩波文庫)に飽きたらず、先日は近隣の図書館に赴き、『寺田寅彦全集 第二十巻』(岩波書店1998)を借りてくる。この本には、大正四年から大正八年までの…

科学雑誌を読む

いつものコーヒーショップで、昨日届いたばかりの『ネイチャー』 9/11号をパラパラとめくる。テナガザルのゲノムつまり全てのDNAの配列が解読されたという報告を読む。表紙のサルがキタホオジロテナガザル(の赤ちゃん)。解説記事もある(p.174)。さっそく…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [011]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [011]『意識をめぐる冒険』 クリストフ・コッホ(岩波書店2014)の第5章では、興味深い脳障害がいくつか取りあげられています。アクロマトプシア、相貌失認(そうぼうしつにん)、カプグラ症候群、アキネトプシア…。この…

フィクションを読む

●『女のいない男たち』 村上春樹(文藝春秋2014)を読む。「ドライブ・マイ・カー」と「イエスタデイ」が特に気に入る。後者は短篇「螢」を思い起こさせる(でも誰も死なないところがいい)。「木野」の前半は、「トニー滝谷」(の前半)を思い出させてくれ…

科学書を読む

●科学書を読む毎朝、『生命とは何か―複雑系生命科学へ』 金子邦彦(東京大学出版会2009)の一節を読むことを続けている。この本のジャケットの絵は、伊藤若冲の《樹花鳥獣図屏風》(いま調べた)。 すみずみまで理解できる本ではないけれども、パラパラとめ…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [010]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [010]『意識をめぐる冒険』 クリストフ・コッホ(岩波書店2014)の第5章には、以下のような文章が出てきます:〈デカルトは、主観的な経験は分割できないという事実を裏づける、ただ一つしかない器官を探した。そして、…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [009]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [009]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第2章には、以下のような文章が出てきます:〈電気的活動は、ニューロンの樹状突起や細胞体の表面に集まっている「イオンチャネル」という、これまた精密な装置を使って、「…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [008]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [008]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第5章には、以下の文章が出てきます:〈フリードの指導の下、私の研究室のメンバーであるロドリゴ・キアン=クイロガ、ガブリエル・クレイマン、リラ・レディの三人は、非常…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [007]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [007]【中学生・高校生のみなさんへのブックガイド】『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第2章では、著者である意識研究者クリストフ・コッホ氏の少年時代から研究者になるまでのプライベートな事実が述べられていま…

科学雑誌を読む

一昨日、外から帰ってくると、ポストに別冊日経サイエンス『系外惑星と銀河』が入っていた。「系外惑星」は「太陽系外惑星」の略。英語では、extrasolar planet。系外惑星への関心というのは、たぶんそこには生命体がいるんじゃないの? というところにある…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [006]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [006] 『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第3章には、以下のような記述があります:〈意識状態は、朝の目覚めと同時に始まり、眠りに落ちるまで続く。眠っているときも、夢を見ているあいだは意識があるが、深い眠…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [005]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [005]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第2章で、〈関わっているニューロンの平均スパイク発火率はどれくらいか?〉という表現が出てきます(p.038)。ニューロン(神経細胞)が「発火する」といっても、なにも細…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [004]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [004]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第1章では、〈デービッド・チャルマースの言う「ゾンビ」はなぜ、現実の世界には存在しないのか?〉という文が出てきます(p.010)。この本では後の方(たとえば第3章)で…

『意識をめぐる冒険』のための地図 [003]

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [003]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)の第3章では「ミラーテスト」が紹介されています(p.073)。鏡を使う実験なので「ミラー」テストです。動物が「鏡のなかの自分の姿が自分であると認識できるかどうか」を調べ…

『意識をめぐる冒険』

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [002]『意識をめぐる冒険』(岩波書店2014)(以下『冒険』)の著者クリストフ・コッホさんには別の邦訳書があります。『意識の探求―神経科学からのアプローチ』(以下『探求』)という上下巻の本で2006年に出ました。こ…

『意識をめぐる冒険』

●『意識をめぐる冒険』のための地図 [001]まずカバーの図版。『猫脳ゴルジ染色図譜』萬年甫(岩波書店1988)からのもののようです。近隣の公立図書館で所蔵を検索してみると…見つかりませんね。大学などの図書館には収蔵されているかも。書店でもこの本は見…